癒し効果

パワーストーンをくれた少女に平凡であることの幸せを教えられた私

私は別にこれと言った取柄などなく、ごく平凡で地味な人生を送っています。
でもあまりにも平凡すぎてあーあ退屈だなあと思い、嫌になる時もあります。
これって贅沢なことなのかもしれません。
そんな私の考えを改めさせたのは、ある少女との出会いがきっかけでした。
その少女は私のいるクラスに転校してきた子で、家も私と同じ方角だったので私は彼女と自然に話すようになっていったのです。
彼女は色白で目が大きく、通りすがりの人々が振り向くような美人でした。
同じクラスの男子たちは私と彼女のことをまるで天と地だと言ってからかいましたが、私は自分でも同じように思っていたので別に気にしませんでした。
私はのほほんとした何も気にしないタイプと、彼女には見えたのかもしれません。
ある日彼女が自分の家に寄らないかと私を誘い、私は二つ返事で彼女についていきました。
彼女の住まいはその辺でも珍しい古い洋館だったので私は驚き、ここに本当に住んでいるのと彼女に思わず尋ねました。
彼女は真顔で頷きながら古い門を押して通り、ドアの前で私を振り向くとじっと私を見つめました。
これから見たり話したりすることにどうか驚かないでほしいと彼女が不思議なことを言ったので、私は緊張しながら彼女の後について古い洋館の中に入っていきました。
室内は古くてどっしりした印象の装飾で、まるで時代を超えて過去に戻ったような感じでした。
私が周囲を見回していると彼女は、ここはもうすぐ無くなるかもしれないのと言ったのです。
唐突な言葉に私は戸惑いながらもなぜ、と私は彼女に聞きました。
ここがだいぶ綺麗にお掃除出来たからよ、と言って彼女は窓を開け外の空気を入れました。
日差しとともに外の新鮮な空気が部屋になだれ込んでくるのが、私にわかりました。
私がその清々しさにぼうっとしていると彼女は微笑みながら、私の手に小さな石を載せたのです。
これは何と尋ねる私に、彼女はパワーストーンと答えたのです。
彼女のくれたこの小さな石はずっと昔、彼女の先祖が私の先祖に借りた物だったと言ったのです。
長年の積もり積もった様々な心を整理していき、ようやく私に返せる日が来たのだと彼女は私にお礼を述べました。
彼女が言うところによると私の先祖は、長く苦しい戦いの日々を過ごしていたけれど、実はずっと平和を望んでいたのだそうです。
それを今あなたはこうして先祖の願いを叶えているのと彼女は言い、それはとても大切な貴い時間の流れなのだとしみじみした顔で私の手のひらにあるパワーストーンを見つめました。
その後間もなくして彼女は引越ししていきました。
私は彼女に別れを告げたかったのですが、そうする間もなく彼女は行ってしまったのです。
それからさらに1年ぐらいした後に古い洋館は取り壊されてしまい、それを見た私は訳もわからず涙が溢れて思わず手を合わせてしまいました。
あの少女が私に喋ったことは果たして本当のことだったのだろうか、私は夢を見ているのではないかと、私はそんな思いに捕らわれながら彼女のくれたパワーストーンを眺めました。
でもその石を私はどこかへ失くしてしまったのですが、私が胸に刻んだことがあったのです。
それは私の平凡な日常を、私は愛おしい気持ちで過ごすようになったことでした。

Site Menu

Copyright(C) 2013 エネルギーの結晶 All Rights Reserved.